ロタウイルスについて

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ロタウイルスについて

今回はノロに続きロタウイルスについてです。よく混同しやすいウイルスですよね。

ロタウイルスは急性胃腸炎を引き起こす子供に特に多い感染症で、下痢が主な症状です。入院が必要な小児の急性胃腸炎の50%を占めている、非常に感染力の強いウイルスです。生後6ヶ月から2歳の乳幼児によく見られて、5歳までにほとんどの子供がかかります。大人もかかりますが、軽症であることが多いです。

ちなみに、、、ロタウイルスは電子顕微鏡で確認すると車輪に似ています。そのため、ラテン語で「車輪」という意味のロタと名付けられました。

ロタウイルスとの違い

ロタウイルスはノロウイルスの倍くらいの大きさです。

ノロウイルスは感染者の便1gの中に10億個のウイルスであることに対して、

ロタウイルスは1000億から1兆個のウイルスがいます。ロタはノロと比較すると100万倍のウイルス量なのです。

ノロウイルスは11月ごろからちらほら発症し始めて、12月から1月にかけてピークを迎えるのに対し、ロタウイルスは1月ごろから徐々に患者数が増え始めて3月から5月にピークを迎えます。

ロタウイルスの症状

小腸の上皮細胞に感染するため水様性の下痢を引き起こしやすく、他にも嘔気、嘔吐、発熱を伴います。便の色が白くなることもあります。乳幼児が感染すると脱水になりやすく重症化しやすいのが特徴で、39度を超える発熱が出る場合もあります。

ノロウイルスと同様に嘔吐や下痢を引き起こしますが、水様性の下痢がノロよりも長く続く傾向にあります。

潜伏期間

潜伏期間は2日から4日で、症状は1週間程度で落ち着いてきます。

感染予防策

ロタは糞便感染(経口感染)がほとんどです。接触感染、飛沫感染、空気感染もあります。

その他、ノロウイルス同様、かきのような二枚貝や汚染された水からもよく感染します。

かきなどの二枚貝は十分に加熱処理をして、古い飲み水の摂取は控えましょう。

ロタもノロと同様、石鹸やアルコール消毒が効きにくいウイルスです。次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなどの塩素系漂白剤)が有効です。

石鹸や消毒剤が効きにくいといっても、完全に予防できないというだけで効果がないわけではありません。手洗いや消毒は欠かさず行うようにしましょう!

ロタウイルスは乳幼児に多い感染症のため、日本では令和2年10月1日から予防接種が定期接種になりました。稀に脳炎などを発症し重篤になることがありますので、ワクチンによる予防は大切です。

出典:厚生労働ロタウイルス

かかってしまったらどうしたらいいの?

ロタウイルスには抗ウイルス剤はなく、水分補給や十分な休息、栄養補給が回復の鍵です。ノロウイルスと同様に吐き気どめや下痢止めは回復を遅らせる可能性があるので、できるだけウイルスの排出のために止めずに外に出すことが大切です。水分が取れなかったり意識が朦朧としていたら、病院を受診して点滴も考慮しましょう。悪化するとけいれんや脳症、腎不全、腸重積も引き起こすことがあるため、注意して観察しましょう。そのような症状があればすぐに病院を受診してください。

まとめ

ロタウイルスは感染力が強く、乳幼児の間に発症すると重症化するリスクが高い感染症です。乳児のうちに予防接種を行、普段から手洗い、うがいなど標準的な感染対策をしっかり行うことが大切です。

春先にかけて感染者がピークを迎えますので、みんなで意識してこの冬を乗り越えましょう。

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